三味線(三絃)の基礎知識

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三味線の歴史

外来楽器である三味線の祖は、西アジアからシルクロードを経て中国、琉球に伝わり三線(さんしん)となりました。永禄年間(1158~69)に堺の港に伝わり、琵琶法師などの手によって日本本土の条件に合うように改良・工夫を重ね、約70年の後には現在の形となり、日本独特の楽器として庶民の音楽を確立していきました。江戸時代には歌舞伎の伴奏音楽や家庭音楽、お座敷音楽、舞踊の伴奏音楽など様々な曲種・流派が生まれ、三味線音楽の全盛期でした。


三味線の造り

長さ約1m、両面に皮を張った四角い胴に堅木の棹を差し込んであり、太さの異なる三本の糸(絃)が張ってあります。皮と糸の間に駒を置いて糸を浮かし、糸の振動を皮に伝えます。胴を右ももの上に乗せ、右手に撥(ばち)を持ち撥先の角を糸に当てて音を出します。左手の親指と人さし指の間で棹を支え、糸を指先で押さえて音程を決めます。押さえる所を「つぼ」といいます。


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棹・・・紅木・紫檀・花林
胴・・・花林
皮・・・猫皮・犬皮・合成皮
糸巻・・象牙・黒檀・アクリル
糸・・・絹糸・テトロン糸・ナイロン糸
駒・・・べっ甲・水牛角・象牙・骨・竹・プラスティックなど
(地唄は裏に重りとして金・銀・鉛を入れる)
撥・・・象牙・べっ甲(撥先部分)・樫・プラスティックなど

曲種・流派によって、棹・胴・皮・糸・駒・撥などの材質や大きさが異なります。

細棹:長唄・小唄・端唄など
中棹:地唄・民謡・常磐津・清元・新内など
太棹:津軽・義太夫など

※地唄三味線の中でも京都に伝わる『柳川三味線』は細棹よりも細い、極細棹

これにより三味線はたった三本の糸でありながら、繊細な長唄・小唄・地唄からダイナミックな津軽三味線まで、広範囲な音の変化を生み出すことができます。棹と胴は外す事ができ、棹は上棹・中棹・下棹の3つに分解する事ができます。これは収納や持ち運びの利便性、皮の張替えや棹の部分修理、また棹に狂いが生じにくくするためです。このような棹を「三ツ折れ」といい、分解されないものもあり「延棹(のべざお)」といいます。


調絃について

三味線の主な調絃は3種類あります。


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基音の一の絃は演奏者の唄う声の高さに合わせて、また一緒に演奏する箏や尺八に合わせて、他の音で演奏される事もあります。基音が変わっても各絃同士の音の間隔は同じです。


さわりについて

三味線の一番の特徴として「さわり」があります。
一の糸の開放絃を弾くと「ビーン」という独特の響きが出ます。この状態をさわりが付くといいます。さわりは一の糸にのみ付いていますが、二の糸や三の糸のつぼを押さえて弾くと共鳴して同様の効果が生まれます。これは一種のノイズですが、音の倍音が加わり、
響きを延ばし、音色に独特の味わいを持たせる、三味線の音には欠かせないものです。
長唄・地唄では糸倉の手前にさわり溝を切り、糸を下げ、さわり山にかすかに触れさせてさわりを付けます。民謡や津軽三味線では「東ざわり」という棹に埋め込むねじ式の装置でさわりを付けます。